SNSの投稿で、最近どんどん増えている自撮り。自分もいろいろ撮ってアップしたいけれど、なかなか素敵に撮れないし、いつもワンパターンになりがちで……と思っている方はいませんか?
そんなあなたにぜひご紹介したいのは、自撮りセミナーで人気のフォトコミュニケーション協会の渕上真由さん。もともとはコーチとして経営者や個人事業主の方にコーチングを行っていた渕上さん、コーチングセッションの後に撮影した写真が評判を呼び、フォトグラファーとしても活動を開始。“自分らしさがストレートに伝わる”と経営者・著者、モデルやミスユニバースからも指名を受けるほどに。その渕上さんに、今回は簡単にできる自撮りのコツを教えてもらいました。どれも、今からすぐできるポイントばかり。読みながら、どんどんやってみましょう!

~基本編その1~
スマホをどう扱うか カメラを上手に使う3ポイント

①スマホの持ち方

自撮り時のスマホの持ち方

自撮りの基本、まずは持ち方です。いかに遠くまで腕がのばせて、ぶれずにシャッターを押せるかが大切。「中指と薬指をスマホの背面に回して、人差し指と小指で本体をはさむと、腕を伸ばしてもスマホが安定します。シャッターはフリーになっている親指で。最近の若い女の子は、だいたいこんな持ち方」と渕上さん。さっそくスマホを持って腕を伸ばしてみてください。とっても安定するのが実感できると思います。

②カメラ画面のどこにポイントを置くか

同じものを撮影しても、「友人の写真はかっこよく見えるのに、私のはなんだかぼんやりして素敵に見えない……」という経験はありませんか。それは構図の問題です。

では、どんな風にすれば、構図のよい写真が撮れるのでしょうか? スマホのカメラ画面のガイドライン表示を利用するといいと渕上さんはおっしゃいます。「画面を9分割することを三分割法といいます。多くのスマホのカメラでは、この三分割法のガイドラインを表示させることができます。このガイドラインの交わる4つの点のどこかに見せたいものを持ってくると、おさまりのいい素敵な写真になります。難しく考えなくても大丈夫」

三分割法の説明画像

たとえば、この渕上さんが自撮りした写真は、ちょうど左目の目頭あたりに交点が重なります。上級編としては、複数の交点に対象物を持ってくるという技がありますが、最初はどこかひとつから始めるといいでしょう。たいていのスマホは、このガイドラインを表示させることができるので、慣れるまでは表示して常にチェックしながら撮ってみるといいかもしれません。

③背景をいれてみよう

背景を入れた渕上さんの自撮り画像

さらに構図のポイントをもうひとつ。「顔のアップだけの自撮りより、背景をいれるといいですね。“こんな状況”で“今こんな表情の私がいる”という情報を伝えることができ、現場の臨場感も伝わります」。背景を入れることで、同じ自撮りでも毎回、印象も変わってSNSのマンネリ化も防げますね!

~基本編その2~
知っているようで知らない
自分の顔をしっかり理解する3ポイント

①どっちが素敵?右顔、左顔

人間の顔が左右で違うというのは、みなさん聞いたことがあるでしょう。「右側はキツネ顔と言われ、左脳の影響を受けてクールで知的な印象です。左側はたぬき顔、右脳の影響を受けて女性的・あたたかさ・やさしい印象に。だいたい70%の人が、この左右のイメージに当てはまると言われています」と渕上さん。

「一般的に、やさしく見せたいときには左側の顔を、知的でキリリと見せたいときは右側の顔を見せるように撮影するといいですね。もちろん自分の好みもあるから、好きな方の顔を意識して撮るといいでしょう」

さて、参考にどれくらい左右で顔が違うかというと…これは渕上さんの正面写真です。特に左右で印象が大きく変わるというようには感じられないと思います。

正面から見た顔の写真

この写真をもとに、右側の顔を線対称に貼り付けて合成した顔と、左側の顔を貼り付けて合成して作った顔が次の写真です。いかがでしょう。もとは同じ人物であっても、この左右それぞれを使って合成した顔、けっこう変わってしまうんですね。

②あごを上げるか、下げるか

さらに、あごの角度でも顔の印象は変わります。では、見てみましょう。

あごを上げる・下げる際の印象の違い

あごを上げると「威圧的」で「セクシー」いわゆる「どや顔」になります。下げると、「かわいらしさ」「キュート」な印象が際立ちます。たとえば、雑誌や広告など、あごの位置を意識して見てみると、アイドルの写真などはあごを引いていることが多く、セクシーさを強調したい写真はあごを上げていることが多いのに気づくでしょう。いつも怖いと言われる人は、次は意識的にあごを下げて撮影してみてはいかがでしょう。

③眉を2mmだけ上げてみよう

眉を2mm上げている画像

さて、目を大きく見せたいときは、みなさんどうしていますか? 目をしっかり見開いて、反対に目力が強くなりすぎて怖い顔に映ってしまった経験はないでしょうか。

「実は、目を大きく好印象に見せるには、目以外にポイントがあります」と渕上さん。「コツは眉を2mmあげてみる、それだけです。眉が上がった表情は、対人的に“気持ちがいい”“喜んでいる”という印象を与えます。また眉を2mmあげることで、つられて目が自然に1mmほど大きくなる。それで充分印象のよい表情になります」。 もちろん、きちんと2mm測る必要はありません。自分の中で2mmくらい、要はほんの少しいつもより上げてみるという意識でOKだそうです。

ついでに、口もとがきれいに見えるポイントも。「“ウイスキー”と最後の音引きを伸ばして言うと、とてもきれいな笑顔の口もとになります」

さて、これらのコツを意識して、まずは何枚か撮ってみましょう。何よりも上手く撮るコツは、とにかくたくさん枚数を撮影して、自分の顔をチェックすることにつきるそうです。

~応用編~
せっかくなら、相手に喜んでもらえる自撮りのコツ

もらったものと一緒に自撮りしている画像

誰かにプレゼントをもらって、その品物を写真に撮ってSNSに投稿することも多いでしょう。そんなとき、プレゼントをくれた相手に喜ばれる自撮りのコツとして、「プレゼントと一緒に自撮りしてSNSに投稿するのがいい」と渕上さん。モノだけを撮って投稿するより、ずっと喜ばれるそうです。 それはもちろん、プレゼントを受け取った本人の喜んでいる表情もわかるから。渕上さん曰く、「写真は無料できるプレゼント、まさに気持ちを届けるもの」。渕上さんの提唱するフォトコミュニケーションという名前もまさに、写真でコミュニケーションしようということ。プレゼントをもらったら、ぜひ自撮りしてSNSにアップしてみてください。

~おまけ編~
ふたりで自撮りのコツは。

2人で自撮りしている写真

自撮りで誰かと一緒に撮ることもありますね。そんな時に気をつけるポイントも伺いました。「基本はひとりで撮るときと同じですが、2人で並んだ場合、外側の手でスマホを持つこと。その時、スマホを持っている腕ができるだけ入らないようにする。腕が見えるとやぼったくなってしまいます。自撮り棒を使うときも棒が見えないように」

それと、もうひとつ大事なのは、「必ずレンズを見ること!ついついスマホの画面を見たくなりますが、そうすると“2人ともどこ見ているの?”というような写真になってしまいます」

上手になるには、とにかく実践を!
マイポケットも強い味方になります

さて、いろいろ教えていただきましたが、どれも今すぐできることばかり。自撮りは、スマホという道具の使い方と自分の顔という2つの視点に気をつけるだけで、ぐんと出来ばえが変わります。まずは、たくさんいろんな角度で撮ってみて、自分のベストを探すところから。

ただ、たくさん撮るとあっと言う間にスマホの容量がいっぱいになって、いざというシャッターチャンスに撮れない可能性も…。だから、スマホに保存しているデータは少なめにして、撮りたい時に容量を気にせず、好きなだけ撮影できるようにしておくことも大切です。マイポケットならスマホからいつでもアクセスしてデータを保存できるので、スマホはいつでも軽い状態。撮影した自撮り写真は、マイポケットにどんどん預けましょう!

【渕上真由さんプロフィール】

30歳でフリーランスのコーチとして独立。同時にフォトグラファーとして活動開始。心の専門家としての活動が長いため、緊張をほぐし、自然体の魅力を引き出すことを得意とする。ワールドスーパーモデル・ジャパンの公式フォトグラファー。
“写真は人を笑顔にするコミュニケーションツール”という考え方のもと「フォトコミュニケーション®」を提唱し、年間100回以上のセミナー・講演を行う。
2015年2月 フォトコミュニケーション®協会設立。
http://photo-communication.jp
2015年4月から、都内私立高校で写真の授業を担当。大学でワークショップなども行う。