デジタル化が進んだことで仕事でもプライベートでも個人が扱うデータ量が増え、情報セキュリティへの関心が急速に高まりつつあります。社会的にも、セキュリティ基準は年々厳しくなる傾向。今やビジネスにおいて、セキュリティの知識は“最重要事項”のひとつと言っても過言ではありません。IT技術の進歩で便利になった反面、セキュリティ面で、はたして自分はきちんと対応できているか、不安になったことはありませんか。
パスワードを設定したから大丈夫、セキュリティを何重にもかけているから安心と思っていても、落とし穴はあるものです。今回は、月刊『広報会議』でネット危機管理のコラムを執筆する鶴野充茂さんに、最低限知っておきたいセキュリティの基本や、多くの人がついやってしまいがちな、でも、実は重大な事故につながるミスについて教えていただきました。
意外な落とし穴に、要注意!
デフォルトのパスワードの危険性
セキュリティ意識が高まり、ふだんの生活の中で、パスワードの設定が必要なものが増加。覚えきれなくて困っている方も多いのではないでしょうか。そのパスワードに意外な落とし穴があります。
たとえば一例として、ここ最近、身近になったWEBカメラ。いわゆる「ネットワークカメラ」。遠隔地の様子を確認できるので、従来の防犯目的、企業では会議用などに使われています。さらに、家庭でもペットや赤ちゃんの様子をみるなど、幅広く使われるようになりました。とても便利なツールです。
ところが、鶴野さん曰く「パスワードをデフォルト(初期値)のまま使ってしまっているケースが意外に多いんです。WEBカメラは、ネットワークを介してデータをやりとりしているので、デフォルトのままでは推測されやすく、まったく知らない人に覗き見されてしまう可能性があります。WEBカメラはあくまで一例。どんなケースでも、パスワードをデフォルトのままにしておく危険性は同じです」
ふだんよく買い替えるスマートフォン・携帯電話やパソコンなら、“最初にパスワードの設定を”という意識が働いても、“カメラのパスワード変更”という行為には、なじみがないことも理由かもしれません。たとえば、ネットサービスの会員登録など、任意のパスワードを付与された場合は、まずはデフォルトのパスワードを変更する!これを、心がけることが大切ですね。
では、ここからは、仕事上でよくあるシチュエーションでの知っておきたいポイントを3つご紹介します。
①情報・データは“分散”して保管する
「情報やデータは“分散”して保管することが重要です。たとえば、パソコンでもハードディスクでも一カ所に全部のデータを保管していたら、万一何かのトラブルでその保管元にアクセスできなくなったり壊れたりしたら、すべてのデータを失ってしまいます。取り返しがつきませんよね」
たとえば、クラウド、パソコン、ハードディスク、紙など、情報の機密性の高さに合わせて、分散して管理することが大事です。常に万一のケースに備えて保管する。ぜひ、覚えておきたいポイントです。
②SNSの公開範囲の設定に注意する
プライベートでも仕事でも、SNSを使う機会が増えている方はたくさんいるでしょう。「注意すべきは公開範囲の設定です。WEBカメラ同様にデフォルトは、“公開”になっているケースが多いです。“特定の人”“自分だけ”“公開”など、発信する情報に合わせて毎回きちんと設定するのを忘れないこと」
SNSの中にはサービス向上のために、頻繁にデフォルト設定が更新されるものもあります。「一度、限定公開に設定しておいたから大丈夫」と安心せず、常に毎回チェックするよう習慣づけるのもいいですね
さらに、SNSで要注意なのはチェックイン機能。近くにいる知人がわかったり、コミュニケーション上は便利なツールですが、常に居場所がわかることはいくつかの危険性をはらんでいます。
たとえば、仕事上では居場所が知られることで、営業機密が漏れる可能性もあります。単身者なら、今家が留守だと公表していることになるので、悪意のある人が見たら、留守宅が危険にさられる可能性も。不用意にチェックインしないことです。
また、SNSを複数使うことで、もし、ひとつのSNSがトラブルでコミュニケーションのルートが断たれてしまっても、他のルート(SNS)を使うことができます。データ管理場所と同様に、複数もつことが望ましいですね。
③出先で仕事。周囲の視線に注意する
鶴野さんが、「意外にみんなよくやっていて、気づいていない」と指摘するのが、パブリックスペースで仕事をしている時の他人の視線です。
「電車の中やカフェでノートパソコンを開いて仕事をしている人をよく見かけます。パソコンそのものには、何重にもセキュリティがかけられてデジタルデータが流出する脅威からは守られていると思うのだけど、後ろや隣の席から画面の情報が丸見えで、大丈夫?と心配になります」
さらにもっと盲点となるのは、タブレット。「ノートパソコンの場合は、モニター画面に保護シートをつけている人が多いので角度によっては見えづらいと思います。ただ、タブレットは営業ツールとして、相手に見せながら説明するという使われ方が多いからノーマークになっていますね」
鶴野さんのおっしゃるとおり、タブレットは、仕事の打ち合わせなど、一緒に資料を見るために使われることが多く、あえて保護シートをつけて相手に見せにくくするという発想はありませんよね。でも、それを使って電車内などすぐ隣に人が座っている場所で、仕事のメールや書類をチェックすると…、文字通り情報がまる見えです。見てくださいと言っているようなものですね。
さて、いかがでしょう。思い当たるものはありませんか。ネットワーク上のセキュリティは意識していても、リアルな他人の視線は気にしていない方も多いかもしれません。鶴野さんは「パブリックスペースで、電話番号など個人情報や仕事の話を大きな声で話している人も意外にいます」と指摘します。社会人の基本中の基本として、そうしたリアルなシーンでの、セキュリティ意識も高くもっていたいですね。
情報管理は「セキュリティ」と
「利便性」のバランスが重要です
では、とにかく情報漏えいのリスクを減らすために、なんでもかんでもむやみに何重にもパスワードをかければそれでいいのかと言えば、そうでもありません。たとえば、データを仕事の相手先に送るとき。何重にもパスワードをかければ、もちろんその情報自体は強固に守られますが、相手がそのデータにたどり着くまでに、いくつもパスワードを入力しなければならず、仕事の効率が下がりかねません。つまり「セキュリティ」と「利便性」のバランスが大事です。まずは、その情報の機密性を把握し、情報量の大小によって、適切な送り方とそれに合うセキュリティを心がけることが必要です。
鶴野さんはこうもおっしゃいます。「知っておかなければならないのは、“ここまでやったから絶対に安心”はないということ」。日々進化するIT技術。常日頃から、こうしたセキュリティの情報にアンテナをはり、最新の情報を知っておくことも大切です。
最新の情報といえば、クラウドを使った情報管理の進化もそのひとつにあげられます。ここで、先進のクラウドサービスを見てみましょう。
データをクラウドで保管するなら、
大容量のマイポケットを!
NTTレゾナントが提供するクラウド・オンラインストレージサービスのマイポケットは、先進のデータ管理を実現してくれます。保管しているデータを送付するには、ファイルのURLを通知するだけなので、大容量データでも簡単に送れます。また、URL送信の際に、ダウンロード時のパスワードを設定できるので、セキュリティも万全です。
その上、マイポケットの容量は、なんと128GB!保管先としても、データのバックアップ先としても安心の大容量です。高解像度の写真、プレゼン用の資料や動画など、重いデータでもたくさん保管できます。アップロードは1ファイル2GBまで可能です。
パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからも専用のアプリを使い、保管しているデータにアクセスでき、SNSへの写真や動画の投稿も簡単です。ラベル機能を利用すれば、データの整理も手間いらず。自動バックアップ機能を使えば、パソコンやスマホにある最新のデータを自動でマイポケットに保存することができるので安心です。マイポケットをあなたのデータ管理の味方のひとつに、加えてみてはいかがでしょうか。
これからも、仕事上扱う情報やデータはどんどん増えることは想像に難くありません。適切な扱い方を常に意識しながら、信頼されるビジネスパーソンを目指しましょう!