朝、出社してまずはメールを確認。お昼までに会議資料をまとめようと思っていたのに、気がつくとメールの対応に1時間以上も! こんな経験はありませんか。他にも、重要なメールが出てこない。後で返信が必要なメールを見逃してしまった…なんて。毎日届く膨大なメールに追われて、仕事の効率が下がっている方は、けっして少なくありません。
それを解決するのがメールの“整理術”。整理術にはいろんなスタイルがありますが、自分らしいやり方を身につければ、メールに割く時間を短縮でき、次々やってくるメールにも邪魔されず仕事に集中できます。対応すべき優先度の高いメールももれなく対応済みで、安心して一日の仕事を終えられます。
メールの整理ができず仕事が追い付かない!というお悩みをお持ちの新入社員や入社2~3年目の若手社員のみなさんに、効率のよいメール整理術をご紹介します。
退社時、受信トレイのメールはゼロ。
これを仕事の新ルールにしてみよう!
いろんな整理術がありますが共通するのは、“受信トレイにメールを残さない”ということ。これは鉄則!なぜなら、受信トレイにいつまでもメールが残っていることで、重要なメールとそうでないメールが混在し見分けがつかなくなるからです。そのせいで、緊急対応が必要なメールを見逃してしまい、クレームになる恐れもあります。
毎朝、受信トレイにあるメールは、まず重要度や対応の要不要を判断してフォルダに振り分けてから、その日の仕事をスタートするのがポイントです。いわば受信トレイがto do リスト。受信トレイのメールを退社時に“ゼロにする”もしくは“少なくとも10通以内”などと、ルール化するのがよいでしょう。
ただし、今現在、膨大な量のメールが受信トレイにある人は、すべてのメールを「保留フォルダ」「あとで整理」などのフォルダをつくってそこに移動。膨大な保留メールは、後で少しずつ要不要を判断。まず、受信トレイをいったんカラッポにするところから始めましょう。
では、どんな風に振り分けるとよいか、フォルダの分け方をご紹介します。
もちろんフォルダは分けるのがベスト!
ただし流儀はいろいろ、あなたはどれを選ぶ?
メールを整理するなら、フォルダを分けること!それはわかっていても、フォルダを分けすぎて使いにくくなっている方もいるでしょう。その人の仕事の内容やスタイルによって、相性の良いフォルダは異なります。今回いくつかご紹介する中から、自分にあったものを選んでみてください。
(1)“すぐやる” “後でやる” “残しておく”の3つのフォルダ
一般的に推奨されているのは、まず対応別に3つのフォルダに分けること。ひとつ目は、急ぎの対応が必要な“すぐやる”フォルダ。そして、少し調べたり確認をとったり、何かをしてから返事をする“あとでやる”フォルダ。そして3つめが、情報として保存や記録が必要な“残しておく”フォルダです。
フォルダ名は、例えば「要対応」「保留」「保存」や「要返信」「作業中」「保管」など、自分でわかりやすいものでよいでしょう。
朝、受信トレイをチェックしたら、この3つのフォルダに分けます。振り分けた上で、すぐ対応が必要なものから優先的に処理。ただし2分以内で対応できそうなものは、振り分けの時点で返信してしまう。こうすることで急ぎの返信が必要な重要なメールを見逃す可能性が低くなり、1日の大まかな仕事の流れも、朝におおよそコントロールすることができるでしょう。
(2)メルマガや情報・参考資料用のフォルダをつくる
メールマガジンなど緊急性のない情報メールは、「メルマガ」「情報・参考資料」などのフォルダをつくって自動振り分けに。空いた時間に読んで不要なものは削除。そして大事な情報は保管フォルダにという流れ。自動振り分けで、重要でないメールを、そもそも受信トレイに紛れ込ませないようなルールです。
(3)送信相手やプロジェクト名で、個別案件フォルダを設定
また、重要な得意先を担当していたり、長期的なプロジェクトにかかわっている場合は、相手の名前やプロジェクト名の専用フォルダをつくるのも良い方法。メールのやりとりの把握にも時系列で確認しやすいでしょう。
(4)年月フォルダをつくって、時間で管理する
2015年というメインフォルダをつくり、そこに1月、2月と月別のサブフォルダを設定。時系列で管理します。もちろん、その中から重要なものは「保存」フォルダなどに移動させておくこと。実はこのやり方、後でご紹介する廃棄ルールと組み合わせると非常に効率がよくなります。
メールの内容に合わせて
優先順位を見極めてから対応しよう。
入社まもない若手社員のみなさんは、上司や先輩、さらには人事部からの研修のお知らせなど、社内業務に関するメールをたくさん受信されるかもしれません。しかし、メールを受信する度に返信したり対応していると、その都度、仕事を中断することになり集中力はそがれてしまいます。
大切なのは、届いたメールの内容の重要度を確認し、緊急性があるかないかを判断、そして優先順位をつけること。ちなみに、優先順位の高い仕事とは、締め切りが直前に迫っているものや、クレームなどで緊急の対応を必要とされているものです。
メールの優先順位を判断したら、次は、対応にもれが出ないように先ほど紹介したフォルダ分けを活用してメールを整理。後で、まとめて返信できるように下書きフォルダに、件名だけ記入したメールをいれておいてもよいでしょう。そして、今進行中の仕事や優先順位の高い仕事を、先に済ませてしまいます。
メールの確認と対応の仕方は、もちろん職種にもよるので正解はひとつではありません。最終的には自分のやりやすいスタイルにカスタマイズしていくのがベストです。
若手社員のみなさんは、まずはメールを確認したら、「これは今すぐ対応が必要かどうか?」を考える習慣をつけてみましょう。この習慣は、メール整理だけでなく、ふだんの仕事にもきっと役に立ってくれるでしょう。
メールは廃棄すべきもの。難しいのは
いつ捨てるか? 何を捨てるか?
これがもっとも大事かもしれません。メールの保存期間を決めること。逆に言えば、メールの廃棄ルールをつくることです。たとえば、3カ月・半年などと期間を決めて、それを超えたものは削除する。もちろん長期間保存が必要なものもあるでしょう。それは専用保存フォルダを別につくっておきましょう。
また、定期的に「廃棄・整理」する日を決めておくのもおすすめ。たとえば、週1回金曜にとか、月1回月末にとか。期間をあけすぎるとチェックするメールが増えて、作業に時間がかかるので、間はあまりあけない方がよいでしょう。
そして、このときに、先にご紹介した年月フォルダにわけておくと、保存期間の過ぎたサブフォルダごと削除してしまえるので、非常に便利なんですね。もちろん、そのフォルダの中から、重要な保存メールはピックアップ済みという前提です。
さて、あなたの受信トレイ、いちばん古いメールは何年前のものですか? そしてそれは今も必要ですか? 受信トレイは書棚や引き出しではないので増えていることが目に見えず、廃棄しなければ、ほぼ無限に増え続けます。不要なメールが多ければ多いほど、重要なメールが埋もれてしまいます。だから廃棄は絶対必要。
では、どれくらいの頻度で廃棄するのがベストでしょうか。
まず、メルマガなどの情報の鮮度が重要なメールは、1カ月くらいで充分でしょう。また、イベントや会議案内などで、集合場所・日時などを知らせるメールは、それが済んだら不要になります。単なる報連相のメールも、読み返すことがなさそうなものは、その案件が終了したら削除してもよいでしょう。
反対に、保存しておかないといけないのは、契約関係に関するメール、もしくは重要な仕事の手順やルールを記載したメールなどがそうでしょう。進行中の案件のメールも必要でしょう。添付書類が重要で、メール本文に意味のないものの場合は、添付書類をダウンロードしドキュメントフォルダに保存して、メールは削除するルールにしてしまうという手もあります。
実際のところ、ほとんどの方がよっぽどのことがない限り、メールを読み返してなどいないはず。プロジェクト案件や契約関係以外のメールは「読んだら捨てる」という自分ルールをつくっている経営者もいるくらいです。
実は、こうしてメールを瞬時に要不要や優先度を判断する習慣は、日々の仕事での重要な判断力にも生きてきます。重要性を判断するトレーニングだと思ってやってみるのもいいですね。
受信トレイも、仕事のデスクといっしょ。仕事のできる人ほど、すっきりと片付いているようです。さぁ、あなたもメールの整理術を身につけて、仕事のできるビジネスパーソンをめざしましょう!